中間管理録トネガワ
「めっちゃ売れてるんだから、いまさら自分が読まなくても後でいいか」という古いタイプのオタクにありがちな謎理論でもって、電子版で買ったまま積んでました。
だがっ……病院の待ち時間が長いっ……無限の時間を吸い取る待合室っ……。
ということでイッキ読み。なるほどこれは管理職で右往左往する、あの宿敵・利根川が愛おしくなってくるユニークさ。
元ネタのカイジにかぎらず、福本漫画の長期連載はすべて濃度が薄められてしまうので、味付けが物足りなくなってます(僕の主観では)。
そんなカイジの異様な台詞ネタの濃さを濾過して純度を高めてるわけで、つまらんわけがない。
やってることは単純で、エビの大量購入で失敗した元部下の話のオチが「エビ反りっ」とか子供のギャグっす。でも絵とノリで強引に笑いに持っていくこの力強さ。シュールさ、キャラの魅力、シチュエーションのバランスが絶妙なんでしょう。
しかもカイジの舞台裏なので、限定ジャンケンの箱の中とか、パチンコ沼で利根川が接待受けた時のグダグダ感とか、元ネタを知らなくても楽しめるし、知ってるとなお楽しいという理想的なスピンアウトですね。