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今日の一冊:『3月のライオン』(羽海野チカ 著)イッキ読み、ネタバレ無し感想

3月のライオン 12

羽海野チカ 著

今月13巻が出るこちらのシリーズ。アニメも10月からスタートするんですが、待ちきれずに原作読んじゃいまして。

その前に読んだ『ちはやふる』が陽とすれば『3月のライオン』は陰。ひたすら明るく夢に向かう綾瀬千早と、内向的な桐山零。同じ日本古来の遊戯を題材にしてもここまで違うか! という差異がものすごく興味深く、それでいてどちらも名作なんだから始末に負えない(褒めてる)。

『3月のライオン』を読んでいて思うのは、『人は常に孤独と戦い続けるしかなく、死ぬ時も一人きり』という哲学思想が根底に流れているように感じる。やたらと川辺が出てくるのも、インドの死生観のガンジス川を連想させてしまったり。

でも決して悲観的ではない。人は孤独だからこそ「途中で他人の人生とクロスして、ひとときでも『ぬくもり』を感じられたらいいよね。」っていう一期一会の幸せを感じなさいと説いているようにも思える。それが桐山零の場合、川本三姉妹や二海堂晴信なんだろう。

にしても途中から将棋の話が少なくなってきて、川本三姉妹に二度の受難が訪れる。結構暗い話が続くので、二期でこれをやるとなると視聴率大丈夫なんだろうかって余計な心配しちゃう。でもこの事件を通して桐山零の精神的成長があって、ああ、これ零くんの家族再生の話でもあるんだなと。
零くんも初期に比べて、よく笑うようになってよかったよ。PVにもあったけど、放課後理科クラブの存在がここまで大きくなるとは。野口くん、予想以上に出番が増えてしかも有能! 座して待ちます13巻とアニメ二期。

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