20年勤めていた中華麺・餃子の皮を製造する製麺会社を辞めました……一年前に!
退職エントリのお約束といえばnoteですけど、この話は一番に、いつもかーずSPを見ていただいている皆さんにお伝えしたかったので、こちらに書きます。
■辞めた理由
40歳を過ぎた頃から、何年間もずっと考えていたことがあります。80まで生きるとしても、残りは半分以下。健康寿命はもっと短いでしょう。
もっというと、歳を取るごとに時間が早く感じるジャネーの法則により、体感での寿命は、良くて残り1/3ほど。
毎日一回は「余命カウントダウンタイマー」を確認して「メメント・モリ」とつぶやく日々。
なので残りの人生は、好きなオタクコンテンツだけに関わって死にたい。それが人生の舵を切った理由です。
■30代の時に決めた人生の目標
30代半ばに腹をくくった、人生の大目標がありまして、
一つでも多くのアニメ、マンガ、ゲーム、小説、映画を見てから、死ぬ
ことです。
私のオタク源流は、小学生の頃に触れた小説『ダーティペア』に始まり、『ロードス島戦記』(コンプティークの誌上リプレイ。あと「ちょっとHな袋とじ」にも影響されて変な性癖をこじらせた)、小説&OVA『ガルフォース』、氷室冴子全般、テーブルトークRPG『ダンジョン&ドラゴンズ』、マイコンゲームの『ザナドゥ』
……このあたりを履修してきました。これがまず、人生の支柱になってます。
■かーず個人の経歴
そこから大人になって、就職氷河期で生協・Jコープ(統合して消滅)に新卒入社。ブラックな環境で心身をやられて、潰瘍性大腸炎が悪化して一年で退職。
家業の製麺業を手伝うかたわら、ヤマト運輸でバイトして数年。ところが父親の脳出血で家業が廃業。知り合いの製麺会社に吸収される形で、私も転職。以来、20年以上が経ちました。
その20年間の間に「かーずSP」を立ち上げてずっと更新。
製麺業とともに、ホームページ(当時はそう呼んでたんです)を見てくれた出版社や、新宿ロフトプラスワンで知り合った本田透先生の紹介などでライター業もスタート。
写真は、先日閉店した「Bar HONEST」で使っていただいた、私が開発した「かーず麺」。
製麺業・ライター業・かーずSP更新。そのシナジー効果が唯一生かされたコラボ先です。
そんな3足のわらじが生活時間のほぼすべて。あまりコンテンツが楽しめないまま、この歳まで重ねてしまった……それに、ずっと引っかかりを覚えていました。
■40代という年齢への焦り
2020年。コロナ禍で最初の緊急事態宣言が出た時に、一生遊べないと思っていた『ゼルダの伝説BoW』をプレイできました。これがもう、快楽物質ドバドバ出て昇天しかねなかったんですよ。
HDDレコーダーに溜まっていたアニメも全部見ました。す、すごい……みんな、毎日こんなに楽しい経験をしていたのか……。
それまでは土日かクールの終わりに、ラブコメもバトルもファンタジーも、まとめて最終回までラッシュで見るスタイル。
これ、今になって振り返ると、感情がごっちゃになって感動が薄れるんですよね。
良い作品を見たら、いったん離れて余韻に浸る。「これは良い……」とつぶやいて、その感想を日記に書く。
気づいちゃったんですよね、オタク趣味楽しいわって。
「もしも明日死ぬとしたら、『ゼルダ』のエンディングを見られない事を、悔いながら死ぬんだろうな」と。
アホみたいな理由ですが、会社を辞めるのに背中を押したきっかけは、意外とそんなものでした。
※余談1
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない(3) (電撃文庫)」の後書きの写真に載っているのも、かーず麺です。
■人は、いつ死ぬかわからない
話を戻すと、中年おっさんになって会社を辞めたり仕事を変えることを、俗にミドルエイジ・クライシスというらしいです。
48歳という年齢で生きているのは奇跡だな、と感じてました。
・僕の学生時代の親友は28歳で他界しました。
・仲良くさせていただいていた松智洋先生は43歳没。
・尊敬するクリエイターの菅野ひろゆき(剣乃ゆきひろ)氏は43歳没。
・大好きな『ゼロの使い魔』のヤマグチノボル氏(僕にとっては大手テキストサイト「ヘキサゴン」の人でもあるんですが)は41歳没。
・文化放送に嘆願メールを送って、一度だけ復活してもらった『松来未祐と金田朋子のRADIOデコピンないとSP』の松来未祐さんは39歳でお亡くなりになりました。
40代になると、急激に訃報も増えていく。自分もいつまで生きられるかわからんな……悶々と考えてました。
※余談2
Bar HONESTさんでは、コラボメニューでたびたび、かーず麺を卸させていただきました。
「まじこい」10周年記念・みなとそふとコラボBAR :: Bar HONEST
大好きなみなとそふとと、間接的に製麺で関われた。謎の感慨深さがあったなぁ……
■自己肯定感が上がって、辞める行動力がついた
40代で焦るも、会社を辞める決意がつかなかったのは、長年苦しんでいた自己肯定感の低さ。
「会社を辞めて、フリーでやっていけるような強い人間じゃない」って自分への自信の無さがつきまとっていました。
その転機は『ダンベル何キロ持てる?』というアニメ。筋トレを習慣化したら、自己肯定感は普通にアップしていきました。
この世の中、「動く身体と健全な精神さえあれば、なんとか働いていけるし、食っていけるだろう」と。
仮に貯金を食いつぶして60歳で餓死しても、ゲームや映像や読書を存分に楽しめる12年間を過ごせたなら、わが人生に悔いなし。楽しめないまま長生きするよりマシかなって、割り切ることができました。
なお筋トレでは、ずっとこのOPとEDをリピートし続けたことが励みになって続けられた。感謝しかない。
今は「みんなで筋肉体操 – YouTube」をリストにして、BGMにしながら筋トレしてます。
■会社を辞めて、良かったこと悪かったこと
会社を退職して一年間、かーずSPの更新とオタク活動に邁進してきました。その中で良かったこと・悪かったこと。
・良かったこと
◯寝る時間も、起きる時間も自由
会社員時代は、夜中0時すぎにKindle新刊のチェックして、寝て、朝の5時半に起きる生活でした。
昼寝をしても取り返せない睡眠負債を長年抱えていたことは、いつ脳の疾患で死んでもおかしくなかったなと……。車の配送で事故る危険性もありましたし。
◯ストレスが減った
車の話をすると、運転はストレスの塊で、信号待ちとか横入りとかでイライラしがちな性格なんです。
大雨・台風・豪雪でも配達しなければならないのも辛かった。
このことを引き継ぎのドライバーの人に訊いたら「僕はそういうのは、まったく気にならないですね」とあっさり。
仕事には、性格の向き不向きがあるんだなと。
◯好きなことを好きな時間にやれる。
20年間我慢していた積ん読、アニメ一気観、ゲームも楽しめてます。
会社員時代だったら『ウマ娘』はプレイできてないです。1プレイの時間コストが負荷かかりすぎるので。アオハル杯、もうちょっと簡略化してくれんかな……
◯ブログは充実できている
会社に勤務していた時間をBlog更新に割り振れたので、特にマンガとラノベのKindleセール情報は、きっちり記事化できたと思う!
おかげで買う方もポチポチがはかどって、積ん読はさらに増えましたけど……。
電子版は積むスペースがないことで、買っただけで未読の冊数が、より悪化してます。
◯うちの猫がご機嫌
飼い主という名の下僕が毎日家にいるので、屋内飼いの黒猫・るりがべったり甘えてくるようになった。
しかしもう慣れたので、名前を呼んでも、まばたきor尻尾で返事をする横着ぶり……倦怠期か。
・悪かったこと
X寝る時間が自由なために、睡眠障害に陥った
身体が疲れていても2時間で目が覚めてしまい、そのくせ日中になると眠気がきて9時間くらいぶっ通しで寝たり。
生体リズムがバラバラ。規則正しい一日は、会社に通うという縛りがあってこそだなと。
これは現在も苦しんでいるので、
→不眠症おっさんのデカフェ日記その1|かーずSP|note
ここにも書きましたが、愛飲していたゼロカロリーペプシを炭酸水に変更。コーヒーをデカフェに変えました。
X社会保障費がバカ高い
国民年金もそうだけど、国民健康保険が3倍になったのはマジでまいりました。
ちなみに辞めたのが11月25日(会社の給与の支払い日)なので、残り数日に、一ヶ月分の国民年金と国民健康保険がかかってきました。5万くらい損したかな……。会社辞める人はみんな覚えていて。
だから実質的な収入は減ってます。得た自由時間とのトレードオフと考えて、飲み込んではいるけど……。
なお不安定な収入については、心が病みそうになったら、エアロバイクと筋トレでごまかしてます。興奮物質で自分を騙せます。
■今後の目標
・2つ目のブログを作る
18禁部門を別ブログにしたほうが、センシティブな用語の配慮とか、いちいち画像を載せられない面倒臭さとか、窮屈さから開放されそう。
・ライター仕事を増やしたい
その課題として文章スキルの向上を目指すために、毎朝1200文字書くことを続けています。
アニメや漫画の感想から、昨日感じたこととか、なんでもいいので、書く習慣をつけて鍛えてます。
■〆
会社を辞めて、厳しい社会情勢で一年間を生き抜くことができました。
これからも、かーずSPを頑張ります! 今後とも、ご愛顧いただければ幸いです。
※コンテンツ業界の皆様へ。アニメ・マンガ・ラノベ・ゲーム関係のライティング業務、お待ちしております。
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欲しい物リストを作りました。かーずSPと愛猫のるりへのささやかなご支援、気が向いたら宜しくお願いします。