いきなりなんだけど、この帯を見てくれ……
宇佐美さんの果てしなき片思いの日々が、ついに…シリーズ100万部突破!
これほど言われた本人だけが嬉しくない100万部突破告知ってある!?
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ということで『この美』最新刊なんですけど、このマンガ、コミックとしての魅力はもちろん、イラスト=一枚の絵が持つパワーも凄いんだ。
着ぐるみを脱げなくなったみずきが、口から肩腕だけ出してペットボトルを受け取るコマ。
前後を読まなくても、絵面だけでもプッと吹き出してしまう。
マンガとイラストの才能は別物なんですけど、『この美』は、その両方が堪能できる。
いみぎむる先生レーターとしての資質は、こちらのライトノベルで挿絵を担当していらっしゃることからも証明できているわけで。
¥704
「私をお嫁さんにするって言ったのに、ひどくないかな?」「それ、いくつの頃の話?」「4、5歳だけど」それはノーカンだろ。負けてこそ輝く彼女たちに、幸いあれ。負けヒロイン――マケインたちに絡まれる謎の青春が、ここに幕を開ける!
絵のパワーといえば、着ぐるみの中からスク水のみずきちゃんが汗まみれで出てきた破壊力がたまらん!
14巻isスク水と断言していい!……いや断言しちゃダメだ、見どころはいっぱいある。
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みずきの家に友人の伊万莉まりあがお泊りする回がある。
「内巻くんのことをどう思っているか」
まりあに真意を確かめようとする刹那、恋心と、友情関係が壊れることをためらった表情の1カットが、映画のキメシーンの如く脳裏に焼き付く。
『この美』は乙女心の繊細さを表現するのが実に上手い。
そこで冒頭の帯の話に戻るけど、14巻分、ずーっと宇佐美さんの片想いを描写していてなお、この初々しさを表現できている。
これって、とんでもなく難しいことをやってのけている偉業ですよ。
だって普通は作者が飽きるか、読者に飽きられるもん!
だけど『この美』は普通じゃない。
100万部到達するまで宇佐美さんの片想いを積み重ねている。
もうずっと、片想いのみずきちゃんだけをずっと一生見ていたい……
一生片想いしててくれ!
(酷いこと言ってます)
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なお14巻には、時系列が巻き戻って、まだ内巻くんと仲が悪かった頃のみずきも収録されている。
そこで、ウサギの髪留めのエピソードも明かされているんですよね
宇佐美みずき=「うさみみずき」
この名前の由来、いみぎむる先生にインタビューしたことがあります。
【インタビュー】『この美術部には問題がある!』いみぎむる「宇佐美さんが赤面している顔は可愛い」|コミスペ!
>ウサギ柄なのは、みずきがうさ耳好きだからです。あと、キャラの名前で韻を踏むのが好きで、「ウサ耳が好き → うさみみ好き → うさみみずき」
これを取材した時、ちょうどコロナが武漢で騒がれている時でした。いやー懐かしい。
¥663
第14巻では、宇佐美さんと内巻くんが内巻くんの姉が通う女子高の美術部を訪問します。高校生のおねえさま方にいいようにイジられる2人に注目です!のんびりほっこりする物語がたっぷり読めるので、今回もお見逃しなく~。
このあらすじに書いてある通り、女子校で年上女子に内巻くんがイジられて、慌てふためく宇佐美さんも可愛い。
「宇佐美さん可愛い」を描き続けて100万部。これからも宇佐美さんの片想いをずっと眺めていたい(いや、もちろん内巻くんと結ばれてほしいんですよ? 今回、まんざらでもなさそうな布石が打ってありますし)