はい、前回に続いてのパート2です。
→かーずSP : 「かーずSPpresentsアニメ感想戦ラジオ」特別編:2016年度のアニメベスト10を選んでみました パート1
また今回も2016年秋アニメの感想戦を配信する予定です。
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ラジオのレギュラー陣による2016年度アニメベスト10。今回は一流ホームページのゴトウさん、岸宗さん。それと関口さんからは論文形式で寄稿いただきました。
2016年秋は未終了の番組があるので、範囲は2015年秋~2016年夏となってます。
ラジオでやっているように、総合でランキングを集計することはしてません。あくまでも「おれ、これが面白かったんだけど!」っていうアニメ愛と情熱を全面に押し出した企画です。
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☆ゴトウ(一流ホームページ)
ちなみに2016秋作品も入れるとなると、「ユーリ!」「ユーフォニアム2」「灼熱の卓球娘」あたりが入ってきます。どれも萌えに潜んだ熱さが素晴らしかった。
10位:ワンパンマン
いわゆるヒーローもののカウンター作でありながら、クセのありまくるキャラやケレン味たっぷりのアクションシーンに引き込まれた。
9位:おそ松さん
キャラ人気の凄まじさの方が話題になっちゃってるけど、ルールもクソもなく笑かせに来ていて、毎回、今日は何をするんだというワクワク感があった。
そこまで重大事件ではないけれど、それでも想いのこもった謎に全力で挑むチカの姿が可愛い。
7位:クロムクロ
侍ギャップギャグ&ロボット&ラブコメという多くの要素を入れつつ、どの方面から見てもクオリティが高かった。いまどきいないタイプの主人公像を描けたのが絶妙。
ここ最近のファンタジー萌えアニメを総括するような盛りだくさん、かつ外さない展開。「すべてがFになる」もそうだけど、タイトルが出てきて気持ちいい作品っていいすよねー。
5位:僕だけがいない街
サスペンスとしてのハラハラ感に、小学生から大人まで様々なタイプのヒロインが可愛くて、絶対守るー!って気分になりました。
4位:ふらいんぐうぃっち
設定としてはのほほん田舎ものであるにもかかわらず、スタイリッシュというか洗練されたエロさに卒倒しそうになった。
とにかくテンポの妙というか、目新しさは感じないのにここまで面白く見れるとは。「ファンタジー世界に転生」という設定だけで食傷してしていると思い上がっていた自分を恥じるばかり。
2位:昭和元禄落語心中
お互いの才能を羨み、嫉妬しつつも惹かれあってしまう二人のイチャイチャっぷり、そして時代に取り残されていく落語という芸事の切なさに魅了される。
1位:すべてがFになる THE PERFECT INSIDER
原作未読というかミステリーを全然読まない自分にとって、トリックの奇抜さ、タイトルの意味等、どんどん明かされていく事実に「気持ちいい~!」となった。
☆岸宗 志明さん
10位:ふらいんぐうぃっち
癒やし系アニメもすっかり定着してきましたが、その中でも特にゆるいアニメでしたね。魔法がある世界の割には何かがおこるわけでもないけど、何もおきないわけでもなく、魔法が日常の見えないところに溶け込んだ世界観でまったり時間が過ぎていく感じはARIA以来の癒やしでした。
9位:ジョーカー・ゲーム
去年は幅広いジャンルのアニメで当たりが多かったわけですが、この作品はシリアス系ではNo.1の出来でした。原作のストーリーの面白さをしっかり活かす演出で、特に結城中佐のかっこよさは傑出してましたね。ストーリーも浪花節から容赦の無い展開まで幅広くスパイ世界を描ききっていました。
男の子ばっかりアニメなんで女性向けではあるんですが、その壁を越えて幅広い層が楽しめるスポーツアニメでしたね。架空のスポーツなんでもう少し巧く描写できればもっと良かったんですが、青春ものとしては良い出来でした。あと実はヒロインが去年トップクラスで可愛かったのもポイントです。
7位:クロムクロ
ボーイミーツガールとロボットバトル! まさに王道の組み合わせ。徹底的に対照的な2人が最初は反目し合っているけど徐々に…という流れも丁寧で大変けっこうでございました。富山や黒部を舞台にしていた点も、ビジュアル的に新鮮で良かったと思います。富山旅行に行きたくなりました。
6位:モブサイコ100
原作者のONE先生はオリジナリティのある作品を生み出せる正真正銘の天才ですね。特にこのモブサイコ100はONE先生の絵柄のままでのアニメ化だったのでその真価が問われていましたが、想像を上回るクオリティで本当に驚きました。原作のタッチを活かしつつ、迫力と緊迫感たっぷりの演出。これぞアニメの力と感心しきりでした。
ツンデレという属性は記号化されて久しく、「これはそういうキャラだから」という感覚で捉えるのが当たり前になっていたように思います。宇佐美さんはオタクから見れば価値観が真逆な言わば現実的な都合の悪い女の子です。でもその価値観の違いを”好きだから”どうにか解消しようと一生懸命アプローチ(大半は余計なお世話になるところがまた現実的)してくるいじらしさが素晴らしかった。説得力のあるツンデレ!(パワーワード)
最近は萌えアニメで癒やしを得ることがアニメを見る主な目的となってしまっていますが、こういう出来の良い燃えるアニメも大歓迎です。燃える=格好良いという単純な物でもなく、お役所仕事に振り回される普段は冴えない愚連隊が、ここぞという所で決めてくれるのがまた良いんですよね。一番好きなアニメはパトレイバーだと公言してはばからない私にはまさに直球ストライクな作品でした。
とことん非現実的(笑)なハーレムアニメ。男にとって都合の良いシチュエーションが徹底されていて、ここまでやられるともう間違いなく気持ちが良い。見た目かわいい以外はまるでダメダメなヒロインだけど一途なヒロインとそれに正面から向き合って引っ張っていく主人公の男らしさという構図は非常に自尊心をくすぐってきます。他のキャラクターもイベントも全てこれを成立させるために構成されていて、見終わるとすっかり良い気分。
ファンタジーブームも一回りしたのかとうとう「主人公がたいして活躍しない」系が来てしましました。いいぞ、待ってました。その上、仲間もクズ揃い。でも不思議と不快感が無い絶妙なキャラとギャグレベルの設定には感心しましたし、心から楽しんで見れました。ファンタジーの中の日常をベースにしているのも90年代以来でオッサン的にはノスタルジーも感じて二重に良かったです。
1位:NEW GAME!
常に1週間に1回は”きららジャンプ”のあるOP映像を見ないと精神の安定が保てないくらい精神がすさんでいる私ですが、このNewGame!は単に女の子がキャッキャうふふして癒やしてくれるだけの作品ではなく、会社を舞台としているため内容が社会人に刺さる刺さる。理想と現実の間のバランスが絶妙で、ボクも一生イーグルジャンプで仕事していたいと何度思ったことか。今期の範囲ではまだ雰囲気アニメですが、この後キャラクター達が試練を乗り越え成長していく骨太のドラマが待っていますので、はよ2期を!
☆関口さん
かーずSPをご覧の皆様、こんにちは。かーずさんの友人の関口です。
ランキング形式の「感想戦」とはちょっと趣向を変えて、ここでは2016年の作品を幾つかのテーマに沿ってまとめてみました。
おヒマな時にでもご笑覧いただければ嬉しいです。
◆アニメオリジナルの「仕掛け要素」
社会現象と化した『おそ松さん』では、原作となる『おそ松くん』の設定から大胆にバージョンアップ。
成人した六つ子それぞれに人気男性声優を当て、彼ら同士の様々な関係性を描くことによって(女子の妄想力や二次創作欲求をガンガン刺激し)、大反響を巻き起こした。
ここまでの大幅な翻案(とそれが大当たりとなること)は珍しいが、アニメオリジナルの「仕掛け要素」を入れ込むことによって、原作とはまた一味違う、スパイスの効いた作品に仕上がるのもアニメの大きな魅力だ。
「感想戦」でも触れたネタだと、『だがしかし』のゆるっとした田舎暮らしのテンポ感や、『ふらいんぐうぃっち』の真琴や千夏ちゃんの仕草に盛り込まれたフェティシズムなんかが好例。
『モブサイコ100』のバトルシーンなんかも、ボンズアニメらしい超絶アクション作画で、日常パートとのメリハリをしっかりつけて魅せてくれた。
またOPやEDなんかは、元々原作には無いため当然オリジナル演出の宝庫。気合いの入った仕掛けが入りやすい。
『Dimension W』OPのキョーマのダンス(梅津泰臣さん!!)や、『ReLIFE』EDを毎回00年代(前後)のヒット曲で締めくくる演出など、「感想戦」でも、やっぱりそういう「仕掛け」は盛り上がる盛り上がる!
『紅殻のパンドラ』EDも曲の途中に福音とクラリンのアニラジ風掛け合いを入れてみたりと毎回「今週はどんな内容かなー!」と期待させる作りが嬉しかった。
こういう仕掛けは数え上げれば、もちろんもっともっとあるのでこの辺で。
原作から大胆にジャンプアップした仕掛けも、原作ファンには嬉しい仕掛けも見逃さないように目を光らせていきたい。◆進化する「文芸原作」
このジャンルはやっぱりノイタミナが強い!
ノイタミナは当初から一般層や女性層に向けた作品作りをしているので、文芸作品をアニメ化する手法の洗練を感じる。
今回のセレクト枠だと『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』『バッテリー』(遡れば『図書館戦争』や『四畳半神話大系』など良作があり、2016年冬期には『舟を編む』が放送。こちらのクオリティも本当に高い!)。
キャラ原案に『すべてがFになる』では浅野いにお、『バッテリー』では志村貴子を起用、お馴染みの人気作家によるキャラクターはそれだけで目を楽しませてくれる。
特に「感想戦」でもかーずさんと盛り上がった『F』のヒロイン・西之園君! 原作を読んでいた僕は「キミ実はそんな姿をしてたのか!」と思わず前のめりに。
知性と茶目っ気、犀川先生への直球な恋心を隠すでもなく、それでいてどこか掴み切れない繊細微妙な内面。
そんなリアリティある人物像がしっかりと絵に閉じ込められてる。 キャラキャラしすぎないところが文芸原作の魅力でもあるので、それを支える大きな柱はこのキャラ造形かなと。
あと観ていて心地良いのがテンポ。
バリバリのアクション作品のようにスピーディーでもなく(いや、ボンズアクション信者だけど)、ほのぼの日常系作品のようにゆーったりでもなく(いや、にゃんぱすー信者だけど)、第3の道となる現実に近いリズム感。
仕事なんかから帰ってきて視聴するとき、比較的スッと入れてスッと抜けられる。
自分を重ねて観たりしやすいのも、この現実に近いテンポだからかも。非ノイタミナだと『ジョーカー・ゲーム』も一般文芸原作。
偽史モノや架空戦記を思わせるミステリー作ではあるが、D機関のスパイたちの息詰まる攻防には「実際あったのかもしれない」と思わせるリアリティがある。
2.5次元花盛りの時分だが、それとは別種の2.5次元的リアル感が、文芸原作にはある。◆侮れない「短編枠」
アニメといえば30分。という時代が過ぎ去ってもはや久しい。
今では5分枠、10分枠には作品が粒ぞろい。中には3分枠なんてのもある(大家さん可愛いです)大人の事情が色々あるのかもしれないけど、僕たち大きな子どもは目の前のアニメを全力で楽しむだけ!そんな感じで、「感想戦」でも皆が熱弁を振るった『ハッカドール THE あにめ~しょん』は、パロディとテンプレ展開を巧みに逆手に取った「あるあるwww」というSNS時代にピッタリの作品に。
「アプリの販促アニメかな?」という事前の予想をガッツリと覆した。
同じ「ウルトラスーパーアニメタイム」枠の『おしえて!ギャル子ちゃん』『宇宙パトロールルル子』も素晴らしい仕上がり。
『ギャル子ちゃん』は「感想戦」でも喋った通り、能登(麻美子)さんのさわやかHなナレーションという強力な武器が加わり、短いながらもパンチのある好作となった。
『ルル子』は、これはもうガイナ→トリガーファンの長年の視聴に対する株主還元のような作品。
「これ『キルラキル KILL la KILL』じゃね?」とか「スーシィ出てきた!」とか「ここフリクリっぽい!」とか(自分の中で)ワイワイ言いながら楽しめる中毒性MAXな一作(ノヴァ君のサイコパス感も最高に笑える)。
『あにトレ!EX(音が出ます)』で慣れない筋トレに勤しみ、『JK めし !』の世界史トークにニヤニヤ(史学科出身なので)、『温泉妖精ハコネちゃん』の勢いあるOP曲(プチミレ)のリリースを心待ちにして、『石膏ボーイズ』の杉田(智和)さんの聖ジョルジョにまたニヤニヤ(新興宗教みたいな自己啓発セミナーみたいな回www)。
気楽に気軽に、でもちゃんとアニメの楽しみが味わえる。短編枠の新しい作品にも、30分枠と同じだけの期待を込めて観ていきたい。
以上でアニメ感想戦ラジオのメンバーによるベストアニメ2016の選出でした!
「あー俺もそう思ってた」「私とは違う見方だな」色々と意見があると思います。
この中で、複数からチョイスされている作品や、一人が猛烈プッシュしている作品で、まだ見ていない作品の掘り起こしになれば幸いです。今は配信という形で後から名作を追っかけることができる時代ですしね。
「第一話を見逃しちゃってそのままスルー」「途中で止めたけど、実はその後盛り上がっていたのか」という作品の見直しのナビになれれば幸いです。
※前回から参加いただいている岸宗さんをなぜレギュラーにお願いしたかを、本編では触れるつもりがないのでこちらで。
もともと業界の方であり、作品に対する深い洞察と、それを言葉でわかりやすく伝える技術が卓越していて昔から尊敬していました。もちろんアニメもたくさん見ている、という条件もクリア。それは、上記のレビューを見ていただければ納得かと思います。
それと4人体制ではスケジュールがなかなか合わなくて、夏の収録は飛んでしまいました。なので今後はこの5人のうち4人以上集まれるタイミングに収録しようかなと。
学生の頃はこういう事をやろうと思えば毎日だってできたはずなのに、全員社会人だとこんなしんどいことに(笑)
とはいえ三ヶ月に一度の配信という形も、もうちょい間隔を短く出来たらなあとも思案中です。
今後とも「かーずSPpresentsアニメ感想戦ラジオ」を何卒よろしくお願い致します!