かーずSP

TVアニメ前日譚『小説 ガーリッシュ ナンバー 2』が渡航節炸裂で面白かった件

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の渡航先生、新作です。

小説 ガーリッシュ ナンバー2 感想

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著者:渡航
カラーイラスト:QP:flapper
モノクロイラスト:やむ茶,堂本裕貴
通販:Amazon

勝ったな! ガハハ!

でおなじみ、TVアニメ「ガーリッシュ ナンバー」も面白いんですが、この小説版もただひたすらに面白く、珠玉のラノベとして語りたい次第。

性格のややひねくれた新人女性声優の烏丸千歳と、その兄にして声優事務所のマネージャーである烏丸悟浄。
二人の一人称が交互に続くんですが、千歳のねじれた性格による語りが、とにかく『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』の八幡と並ぶ斜に構えた文体で、これだけでもう勝ったな! ガハハ! なのである。

「声優とは待つことと見つけたり…」と、モブ役で呼ばれたアフレコ現場で、ただただ地蔵になる独白とか、「なんなら~~まである」という独特の言い回しを多用してるんですが、その妙な可笑しみは、アニメでは得られない小説だけの楽しみと言える。
千歳が八重のことを「黒いし、ペラいね」って何度もいじっては「黒くないし、ペラくないよぉ!」と はわわ困りする掛け合いとか、まあ飽きさせない。

それだけではなくキャラの心情や声優業界の厳しい現状にも深く突っ込んでいて、調子に乗りやすい千歳が実は凹みやすかったり、努力した人が落ちて、それほど努力してない人が受かることもある残酷なオーディションとか、片倉京という関西弁の先輩役者が、なかなか売れないまま年齢を重ねていって悩んでるシーンとか、共感を覚える事も多々あった。

■内容は、千歳がアニメであの役をゲットする前日譚なんでアニメのネタバレには一切なっていないのも○。しかもアニメとは一部事実が変わっているので新鮮に読める。

あとガワで褒めたいのは、この本は文庫サイズじゃなくて、コミックスの大きさ(電撃Gsコミックスネクストと同じ判型)なので、イラストが大きい! さらにイラストレーターが三組いるので、挿絵の数がやたらと多い!
自分は文庫サイズのラノベへの不満として、絵が小さいのと、挿絵が少ないのが物足りないと感じていたので嬉しいっすね。

関連:TVアニメ前日譚『小説 ガーリッシュ ナンバー 2』は10月27日発売!

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